雛人形はいつ片付ける?正しい片付け方と保管方法

雛人形はいつ片付ける?正しい片付け方と保管方法

桃の節句を終えたあと、「雛人形はいつ片付ければよいのだろう」「どのように箱へ戻せば、カビや虫食いを防げるのだろう」と迷う方も多いのではないでしょうか。

横手人形では、雛人形の片付けは3月10日頃までを一つの目安としています。ただし、日付だけを優先するのではなく、晴れて空気が乾燥した日に片付けることが大切です。

人形についたほこりを毛ばたきで優しく落とし、お殿様とお姫様から先にしまいます。その後、お道具、屏風、飾り台などを元の箱へ戻し、湿気の少ない場所で保管しましょう。

この記事では、初めて雛人形を扱う方にも分かりやすいように、片付ける時期、天候、具体的な手順、箱詰め、カビや虫食いを防ぐ保管方法、翌年の点検まで順番にご紹介します。

雛人形の片付けはいつまで?3月10日頃が一つの目安

雛人形を片付ける時期について、全国共通の厳密な決まりがあるわけではありません。

横手人形では、3月3日の桃の節句を終えたあと、3月10日頃までを片付けの目安としてご案内しています。

桃の節句が終わったらすぐに片付けなければならない、という意味ではありません。ご家族の予定や天候を見ながら、落ち着いて作業できる日を選びましょう。

地域によっては旧暦や月遅れで桃の節句を祝うこともあります。また、ご家族が集まれる日まで飾っておくなど、家庭ごとに考え方が異なる場合もあります。

地域やご家庭の習慣を大切にしながら、無理のない時期に片付けてください。

雛人形を片付けるのが遅いと、お嫁に行くのも遅くなる?

「雛人形を早く片付けないと、お嫁に行くのが遅くなる」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。

これは、婚期との直接的な関係を示すものではありません。

季節の節目を大切にすることや、出したものをきちんと片付ける習慣を身につけることなど、暮らしの教えとして伝えられてきた考え方の一つとされています。

そのため、3月3日を過ぎたからといって、雨の日に慌ててしまう必要はありません。人形をよい状態で保管するためにも、天候と時間に余裕のある日を選ぶほうが安心です。

片付ける日は、晴れて乾燥した日を選ぶ

雛人形の片付けには、雨の日や湿度の高い日よりも、晴れて空気が乾燥した日が向いています。

湿気の多い日に箱詰めすると、衣装や箱に含まれた湿気を一緒に閉じ込めてしまう可能性があります。長期間そのまま保管すると、カビや変色などにつながることも考えられます。

天気予報も確認し、できれば晴れた日の日中に片付けましょう。

3月10日頃までという時期は、あくまで目安です。雨が続いている場合は、日付だけを優先せず、次の晴れた日を待ってから丁寧にしまうとよいでしょう。

雛人形の片付け方|事前に準備するもの

作業を始めてから必要なものを探すと、人形を出したまま席を離れたり、慌てて箱へ戻したりすることになります。

雛人形の片付けを始める前に、次のものを準備しておきましょう。

  • 毛ばたき
  • 購入時の箱
  • 人形やお道具の仕切り、固定材
  • 購入時に使用されていた薄紙や包装材
  • 人形用の防虫剤
  • 箱の中の配置を撮影するスマートフォンやカメラ
  • 内容物を記録するためのメモ
  • 清潔で柔らかい布

横手人形でご購入いただいたひな人形には、毛ばたきなどのお手入れセットをお付けしています。お手元にある場合は、そちらをご利用ください。

片付ける前には、手を洗い、水分をよく拭き取ります。ハンドクリームや化粧品などが人形へ付着しないよう、清潔で乾いた手で扱いましょう。

手袋を使う場合は、人形を持ったときに滑らないか確認してください。手袋を着けること自体よりも、両手で安定して持ち、落とさないことが大切です。

人形の片付け方を7つの手順で解説

雛人形は、飾ったときとは逆に、中心となるお殿様とお姫様から先にしまいます。

慌てず、一つずつ状態を確認しながら進めましょう。

1.飾っている状態を写真に残す

片付ける前に、雛人形全体を写真に撮っておきます。

正面からの写真だけでなく、お道具の位置や屏風の向きも分かるように、斜めからも撮影しておくと翌年の飾り付けに役立ちます。

箱を開けたときの写真が残っていない場合は、片付けながら箱の中の配置も撮影しましょう。

「どの部品を、どの向きで、どの箱へ入れたか」が分かる写真を残しておくと、翌年の準備が楽になります。

2.汚れや破損がないか確認する

箱へしまう前に、人形とお道具の状態を確認します。

  • 顔や手に汚れ、欠け、ひびがないか
  • 衣装にほつれ、しみ、虫食いがないか
  • 冠や持ち物に緩みや破損がないか
  • 屏風や飾り台に割れ、反り、変色がないか
  • お道具や小さな部品がすべてそろっているか

気になる箇所があった場合は、状態が分かる写真を撮っておきましょう。

顔や衣装に汚れを見つけても、ぬれた布、洗剤、アルコールなどで自己判断の手入れをするのは避けたほうが安心です。素材によっては、しみや変色、表面の傷みにつながることがあります。

3.毛ばたきでほこりを優しく落とす

人形を箱へ入れる前に、毛ばたきで表面のほこりを落とします。

力を入れてこすらず、毛ばたきの先で軽く払うようにしてください。お顔、髪、衣装、手元など、細かな部分も無理のない範囲で確認します。

衣装のひだや袖の重なりに毛ばたきを強く差し込むと、形が崩れたり、糸へ引っ掛かったりする可能性があります。表面のほこりを優しく払う程度にとどめましょう。

屏風、飾り台、お道具にもほこりが残っていないか確認します。柔らかい布を使用する場合も、強くこすらず、素材や塗装を傷つけないよう注意してください。

4.お殿様とお姫様から先にしまう

雛人形を飾るときは、飾り台や屏風、お道具を準備し、最後にお殿様とお姫様を飾ります。

片付けるときは、その逆です。

まず中心となるお殿様とお姫様をしまい、その後にお道具、屏風、飾り台などを片付けます。

人形は頭や冠をつかまず、胴体を両手で支えるように持ちましょう。衣装の袖や裾だけを持ち上げることも避けます。

冠、笏、扇などの小物は、商品によって取り付け方が異なります。外し方が分からない場合は、無理に引っ張らず、購入時の説明書や写真を確認してください。

5.人形を薄紙や包装材で優しく包む

人形を包む際に、横手人形独自の特別な方法はありません。基本的には、購入時に使われていた薄紙や包装材を利用し、元の状態を参考に戻してください。

お顔に紙や布を強く押し当てたり、衣装を押しつぶしたりしないよう注意します。

包み方が緩すぎると箱の中で動き、反対にきつすぎると衣装や髪を圧迫する可能性があります。箱の中で大きく動かず、人形にも無理な力がかからない状態を目指しましょう。

購入時の包装材や固定材は、翌年以降も使えるよう、片付けのたびに保管しておくことをおすすめします。

6.お道具、屏風、飾り台を箱へ戻す

人形をしまったら、お道具、屏風、飾り台などを順番に片付けます。

部品同士が直接ぶつからないよう、購入時の仕切りや包装材を使ってください。塗装されたお道具や飾り台は、硬いものと接触した状態で長期間保管すると、傷がつく場合があります。

お道具の数が多い場合は、箱へ戻す前に床や机へ並べ、すべてそろっているか確認するとよいでしょう。

どの箱へ入っていたか分からなくなった場合は、無理に詰め込まず、購入時の写真や説明書を確認してください。

7.箱の中身と保管場所を記録する

すべてを箱へ戻したら、箱の数と内容物を確認します。

箱の外側に「お殿様・お姫様」「屏風」「お道具」など、中身が分かるメモを付けておくと、翌年に探しやすくなります。

次の内容も記録しておくと安心です。

  • 箱の総数
  • 保管した場所
  • 小物を入れた箱
  • 汚れや破損など、気になった箇所
  • 翌年に確認したいこと

家族で片付ける場合は、どこに保管したかを共有しておきましょう。

雛人形の箱詰めで注意したいこと

雛人形をよい状態で保管するには、箱の中へどのように収めるかも大切です。

顔や衣装を圧迫しない

人形の顔へ包装材を強く押し当てたり、衣装を無理に折り曲げたりしないようにします。

箱に入りにくいときは、向きや包装材の位置が購入時と違っている可能性があります。力を加えて押し込まず、一度取り出して確認してください。

小物を紛失しないようにする

冠、笏、扇などの小物は、翌年に見つからなくなりやすい部品です。

購入時に小箱や専用の収納場所があった場合は、元の位置へ戻します。小物をまとめる場合も、人形やお道具を傷つけないようにしてください。

どこへ入れたか分かるよう、写真やメモを残しておくと安心です。

購入時の箱や仕切りを活用する

購入時の箱、仕切り、固定材は、人形やお道具の形に合わせて作られている場合があります。

保管場所に余裕があれば、自己流の小さな箱へ入れ替えず、元の箱を使用するほうが分かりやすいでしょう。

箱が傷んでいる、包装材が足りない、元の収め方が分からないといった場合は、無理に作業を進めず販売店へ相談してください。

雛人形の保管方法|湿気・カビ・虫食いを防ぐポイント

雛人形をしまったあとは、次の節句まで長期間保管することになります。

雛人形の保管方法で特に注意したいのが、湿気、カビ、虫食いです。

湿気の少ない場所で保管する

雛人形は、できるだけ湿気が少なく、温度変化の小さい場所で保管しましょう。

同じ押し入れやクローゼットでも、床に近い場所や外壁に面した場所は、湿気の影響を受けやすい場合があります。住宅の環境を確認し、結露しにくく、比較的乾燥した場所を選んでください。

箱を床へ直接置くと、床面の湿気の影響を受ける場合があります。可能であれば、棚の上など、床から少し離れた場所で保管するとよいでしょう。

ただし、高い場所へ置く場合は、箱の落下や、出し入れの際のけがにも注意が必要です。無理なく取り出せる高さを選んでください。

極端な高温や温度変化を避ける

屋根裏、床下、結露しやすい納戸などは、季節によって温度や湿度が大きく変わることがあります。

住宅ごとに環境が異なるため、一律に「ここなら安全」と断定することはできません。年間を通して高温多湿になりにくく、急な温度変化の少ない場所を選ぶことが基本です。

防虫剤は量に注意する

人形を箱へ入れる際は、防虫剤の量に注意してください。

防虫剤を多く入れれば、より安心というわけではありません。使用する製品に記載された量や使い方を確認し、人形を保管する箱へ適切に使用しましょう。

横手人形では、飾り台やお道具の箱には防虫剤を入れる必要はないとご案内しています。

防虫剤の種類や使い方に迷った場合は、購入店や防虫剤のメーカーへ確認してください。

除湿剤は保管場所に合わせて使用する

湿気対策では、押し入れやクローゼットなど、収納空間全体の換気と湿度管理を考えることが大切です。

水がたまるタイプの除湿剤を人形と同じ箱へ入れると、転倒や液漏れによって人形や包装材を傷める可能性があります。人形の箱へ直接入れず、製品の表示に従って収納空間に設置してください。

人形用の乾燥剤を使用する場合も、購入店または製品の説明を確認し、自己判断で大量に入れることは避けましょう。

雛人形のカビ対策として避けたいこと

カビを防ぎたいという気持ちから行った手入れが、かえって人形を傷める場合があります。

次のような扱いは避けたほうが安心です。

避けたいこと 理由
雨の日や湿度の高い日に急いで箱詰めする 箱の中へ湿気を残す可能性がある
顔や衣装をぬれた布で拭く しみ、変色、型崩れにつながる場合がある
人形を強くこする 顔、髪、衣装などを傷めるおそれがある
防虫剤を多量に入れる 人形や衣装へ影響を与える可能性がある
水がたまる除湿剤を人形の箱へ入れる 液漏れによって人形や箱を傷める可能性がある
湿気の多い床へ箱を直接置く 床面から湿気の影響を受けやすい
カビや汚れを自己判断で洗う 素材に合わない手入れになる可能性がある

人形の顔、髪、衣装、飾り台、屏風では、それぞれ使われている素材や仕上げが異なります。

判断に迷う場合は、目立たない場所で試すのではなく、まず販売店へ相談しましょう。

翌年、雛人形を飾る前に点検すること

翌年に箱を開けたら、すぐに飾り始める前に、人形とお道具の状態を確認してください。

翌年の点検チェックリスト

  • 顔や手に汚れ、欠け、ひびがないか
  • 衣装にカビ、変色、しみがないか
  • 衣装に虫食いや小さな穴がないか
  • 糸のほつれや型崩れがないか
  • 髪や冠に乱れ、緩みがないか
  • 笏や扇などの小物がそろっているか
  • 屏風や飾り台に反り、割れ、べたつきがないか
  • 箱や包装材に湿気、カビ、異臭がないか

異常を見つけた場合は、状態が分かるように全体と傷んだ部分を写真に残します。

カビや汚れを強くこすったり、市販の洗剤や接着剤を使用したりすると、修理が難しくなる場合があります。まずはそのままの状態で相談することをおすすめします。

雛人形の汚れや破損を見つけたときは

大切に保管していても、長い年月のなかで、汚れ、ほつれ、破損、部品の紛失などが生じることがあります。

そのようなときは、ご家庭で無理に直そうとせず、人形の汚れや破損についてLINEで相談することもできます。

ご相談の際は、次の写真があると状態を伝えやすくなります。

  • 人形や飾り全体の写真
  • 気になる箇所へ近づいた写真
  • 別の角度から撮影した写真
  • 箱や商品名が分かる写真

横手人形では、修理・メンテナンスが可能かどうかを判断するため、実物の状態を確認しています。修理を行うことで人形の雰囲気が変わる可能性がある場合など、状態によっては修理をおすすめしないこともあります。

また、実物確認が必要な場合は、各店舗への持ち込みをご案内しています。配送中の破損を避けるため、修理品を自己判断で送付せず、事前にご相談ください。

修理・メンテナンスの流れや注意事項は、お人形に関するご相談でもご確認いただけます。

実物を持参して相談したい場合は、各店舗の案内をご覧ください。

まとめ|雛人形の片付けは、乾燥した日に丁寧に

雛人形の片付けは、横手人形では3月10日頃までを一つの目安としています。

ただし、地域やご家庭によって桃の節句を祝う時期は異なります。日付だけを優先して慌てるのではなく、晴れて空気が乾燥し、落ち着いて作業できる日を選びましょう。

雛人形の片付け方で大切なポイントは、次のとおりです。

  • 片付ける前に、飾った状態を写真に残す
  • 汚れ、カビ、虫食い、破損がないか確認する
  • 毛ばたきでほこりを優しく落とす
  • お殿様とお姫様から先にしまう
  • 購入時の薄紙や包装材を参考に包む
  • 顔や衣装を圧迫せず、元の箱へ戻す
  • 防虫剤は量に注意して使用する
  • 湿気と温度変化の少ない場所で保管する
  • 翌年、飾る前にもう一度点検する

雛人形を飾り、触れ、片付ける時間も、ご家族の節句の思い出です。お子様が成長したら、ご家族がそばで見守りながら、一緒にほこりを払ったり、小さなお道具を箱へ戻したりするのもよいでしょう。

丁寧に片付けることは、来年もまた、きれいな姿で人形と会うための準備です。

これから初節句を迎え、飾りやすさや収納のしやすさも考えながら人形を選びたい方は、横手人形のひな人形一覧をご覧ください。

よくあるご質問

雛人形はいつまでに片付ければよいですか?

横手人形では、3月10日頃までを一つの目安としています。ただし、地域や家庭によって節句の時期は異なります。雨の日に急いでしまうよりも、晴れて空気が乾燥した日を選びましょう。

雨の日に雛人形を片付けてもよいですか?

できれば、晴れて乾燥した日に片付けることをおすすめします。湿度の高い日に箱詰めすると、箱や衣装に湿気を残し、カビなどにつながる可能性があるためです。

雛人形の片付けが遅いと、お嫁に行くのも遅くなりますか?

雛人形を片付ける時期と婚期に直接的な関係があるわけではありません。季節の節目や片付けの習慣を大切にするための言い伝えの一つと考えられています。

雛人形の箱には防虫剤をいくつ入れればよいですか?

箱の大きさや防虫剤の商品によって適量が異なるため、使用する製品の表示に従ってください。横手人形では、防虫剤の量に注意し、飾り台やお道具の箱には入れないようご案内しています。

雛人形にカビや汚れを見つけたら、どうすればよいですか?

ぬれた布、洗剤、アルコールなどを自己判断で使用せず、まず状態が分かる写真を撮って販売店へ相談してください。横手人形へは、LINEから人形の状態をご相談いただけます。

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